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東京地方裁判所 平成8年(ワ)13398号 判決 1997年8月26日

原告 浅野淳一

被告 株式会社ペンション経営研究所

主文

一  被告は、原告に対し、金八五六万〇七五二円及びこれに対する平成九年四月一五日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

二  原告のその余の請求を棄却する。

三  訴訟費用は、これを五分し、その一を原告の負担とし、その余は被告の負担とする。

四  この判決は、第一項に限り、仮に執行することができる。

事実

第一当事者の求めた裁判

一  請求の趣旨

1  被告は、原告に対し、金一一〇〇万円及びこれに対する平成九年四月一五日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

2  訴訟費用は被告の負担とする。

3  第1項につき仮執行の宣言

二  請求の趣旨に対する答弁

1  原告の請求を棄却する。

2  訴訟費用は原告の負担とする。

第二当事者の主張

一  請求の原因

1  原告は、昭和六〇年一一月、被告に給与月額金五〇万円で雇用された(以下「本件労働契約」という)。

2  原告は、昭和六一年一一月四日、被告が東武鉄道株式会社とともに設立した株式会社東武リゾート開発に、被告に在籍したまま、出向となった。被告と株式会社東武リゾート開発との合意により、給与等の支給は、被告がこれを行い、株式会社東武リゾート開発がそのうちの自己の分担額を被告に支払うこととされていた。

3(一)  株式会社東武リゾート開発は、平成七年九月末日をもって原告の従事していた営業を廃止し、原告は出向を解かれた。

(二)  被告は平成七年八月以降の給与を支払わない。

(三)  原告は、平成七年八月及び九月、株式会社東武リゾート開発の業務を遂行した。

4(一)  原告は、被告に対し、平成七年九月末日までの間に、また、同年一〇月に入ってすぐに、同年一〇月一日以降遂行すべき職務について指示を求めたが、被告は何らの指示をしなかった。原告の代理人鈴木繁夫弁護士は、被告に対し、平成八年五月二〇日到達の内容証明郵便で就労の指示を求めたが、被告は何らの指示をしなかった。

(二)  被告は、平成七年八月及び九月の給与を支払わず、しかも、同年一〇月一日以降原告が行うべき職務について何らの指示をしなかったのであるから、被告は、原告の就労を事前に拒否していたものといわざるを得ない。したがって、原告は、右のとおり口頭で行ったことにより十分労務の提供をしたというべきである。

5  原告は、被告に対し、平成九年四月八日到達の書面で、被告の賃金不払による債務不履行を理由に本件労働契約を解除する旨の意思表示をした。

6(一)  平成七年八月以降平成九年四月八日までの未払賃金は次のとおり合計金一〇一三万三三三三円である(円未満切捨て)。

500,000×(20+8/30)=10,133,333

(二)  原告は、被告の債務不履行により退職を余儀なくされたものであるから、被告の退職金支給規程上は被告都合による退職に当たり、被告は、原告に対し、四・五箇月分に相当する退職金二二五万円を支払う義務を負う。

7  よって、原告は、被告に対し、平成七年八月以降平成九年四月八日までの未払賃金合計金一〇一三万三三三三円のうち八七五万円及び退職金二二五万円の全額、以上合計金一一〇〇万円並びにこれに対する平成九年四月一五日から支払済みまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払を求める。

二  請求の原因に対する認否

1  請求の原因1の事実は認める。

2  同2の事実は認める。

3  同3(一)ないし(三)の事実は認める。

4  同4の事実は否認する。

5  同5の事実は認める。

6  同6(一)及び(二)の事実は否認する。

7  同7は争う。

三  抗弁

1(一)  原告は、平成七年一〇月以降被告に出社せず、連絡先も不明の状況が続いた。原告は、たまに出社してもすぐに帰社する始末で、社員としての就労義務に違反していた。

(二)  右は、被告の就業規則五五条二号(「正当な理由なく無届欠勤一四日以上におよんだとき」)、同条一号、五四条一号、五三条四号(「勤務時間中、正当な理由なく就業を拒んだとき」)に該当する。

2  そこで、被告は、原告に対し、平成八年一月二四日、口頭で懲戒解雇する旨の意思表示をした。

四  抗弁に対する認否

否認する。

第三証拠<省略>

理由

一  請求の原因1ないし3の事実(本件労働契約の締結、原告の出向、平成七年八月及び九月における株式会社東武リゾート開発の業務の遂行)及び同5の事実(本件労働契約解除の意思表示)は当事者間に争いがない。

二  平成七年八月分及び九月分の賃金支払請求について

右争いのない事実によれば、原告は、被告に対し、株式会社東武リゾート開発の業務を遂行していた平成七年八月及び九月の間の賃金債権を取得したものというべきである。

被告の懲戒解雇の主張はこの間の賃金支払請求に対する抗弁としての意義を持たない。なお、原告本人尋問の結果によれば、被告が、平成八年七月三〇日、原告の銀行口座に金一〇万円を送金した事実が認められるが、被告代表者の尋問の結果によれば、右は未払賃金としてではなく活動費として支払ったというのであり、被告は格別弁済の抗弁も主張しないから、右送金の事実は、右賃金支払請求の当否を判断する上で考慮しない。

よって、原告の平成七年八月分及び九月分の賃金合計金一〇〇万円の支払請求は理由がある。

三  平成七年一〇月分ないし一二月分及び平成八年一月一日から同月二四日までの間の賃金支払請求について

1  前記争いのない事実に、成立に争いのない甲第三号証及び第四号証、原告本人及び被告代表者の各尋問の結果を併せて考えれば、原告は、昭和六一年一一月四日、被告から、被告との間の本件労働契約関係を存続させたまま、株式会社東武リゾート開発の指揮監督の下に労務を提供する、いわゆる在籍出向を命じられ、以来、株式会社東武リゾート開発においてペンションの開業指導の職務に従事してきたこと、被告と株式会社東武リゾート開発との合意により、給与等の支給は、被告がこれを行い、株式会社東武リゾート開発がそのうちの自己の分担額を被告に支払うこととされていたこと、株式会社東武リゾート開発は、平成七年九月末日をもって原告の従事していた営業を廃止し、原告は出向を解かれたこと、しかし、被告は、業績が悪く、出向していた間の平成七年八月分及び九月分の賃金を原告に支払えない状態であったこと、平成七年八月分及び九月分の賃金については、株式会社東武リゾート開発は、被告との合意に基づき、被告に対し、月額金四三万円の割合の負担金を支払ったが、被告は、自己の負担すべき月額金七万円の割合の金員のみならず、株式会社東武リゾート開発から受領した合計金八六万円まで資金繰りに費消してしまい、原告に全く支払わなかったこと、被告は、同年一〇月一日以降も原告に出向当時の賃金を支払う余裕がないとして、株式会社東武リゾート開発に原告を雇用するよう要請していたが、受け入れてもらえず、原告に対しても、被告を退職した上で代理店等を営む等の提携関係を持つよう勧めていたが、原告にも、右未払賃金の支払が先決問題であるとして、これを受け入れてもらえない状況にあり、被告の従業員として職務を遂行してもらうことは考えていなかったので、原告に対し、被告において従事すべき職務を指示するということは全くなかったこと、他方、原告も、右賃金が未払のままであるため、一箇月に二回程度被告に赴く等してその支払を請求することはあったが、被告を退職した上で代理店等を営む等の提携関係を持つとの被告の提案についても、右未払賃金の支払が先決問題であるとの姿勢を終始一貫して崩さなかったものの、これも被告において就労することをあくまでも求めるという趣旨からのものではなかったため、原告は、右提案を即座に拒否するという挙に出たわけではないし、就労する意思があることを告げて自己の従事すべき職務について指示を求めるということも全くしなかったのであって、実際には株式会社東武リゾート開発において業務の引継ぎその他の残務整理に従事していたこと、以上の事実が認められ、右認定に反する証拠はない。

2(一)  労働契約に基づく労働者の労務を遂行すべき債務の履行につき、使用者の責めに帰すべき事由によって右債務の履行が不能となったときは、労働者は、現実には労務を遂行していないが、賃金の支払を請求することができる(民法五三六条二項)。そして、使用者が労働者の就労を事前に拒否する意思を明確にしているときも、労働者の労務を遂行すべき債務は履行不能となるというべきであるが、労働者は、同項の適用を受けるためには、右の場合であっても、それが使用者の責めに帰すべき事由によるものであることを主張立証しなければならず、この要件事実を主張立証するには、その前提として、労働者が客観的に就労する意思と能力とを有していることを主張立証することを要するものと解するのが相当である。

すなわち、まず、使用者が労働者の就労を事前に拒否する意思を明確にすることにより労働者の労務を遂行すべき債務が履行不能となる点について述べると、労働者が労務を遂行する債務を履行する旨提供したのに、使用者が受領を拒絶した場合には、労務を遂行するには使用者がこれを受領することが不可欠であり、かつ、労務遂行の単位となる一定の時間的幅ごとに当該債務の履行が可能か不能かが決まり、労務を遂行することができないまま過ぎ去った時間について後から労務遂行の債務を履行することはできないという、労務を遂行する債務の性質に照らせば、使用者が受領を拒絶することにより、労働者が労務を遂行することは不可能となるといえるから、労働者の債務は、右受領拒絶の時点で履行不能になるものと解するのが相当である。そうすると、使用者が労働者の就労を事前に拒否する意思を明確にしているため、労働者が労務を遂行する債務を履行することが不可能であることがあらかじめ明らかであるときには、労働者が労務を遂行する債務を履行する旨提供しなくても、労働者の債務は、右受領拒否の時点で履行不能になるものと解するのが相当である。これが期間の定めのない労働契約のように、継続的に労務を遂行する債務である場合には、右履行不能の状態は、使用者が労働者に対して右受領拒絶の意思を撤回する旨の意思表示をするまで時の経過とともに続くものというべきである。

次に、労働者が客観的に就労する意思と能力とを有していることが民法五三六条二項適用の要件事実となる点について述べると、同項の文理、趣旨からすれば、労働者が使用者に対し就労する意思を有することを告げて(言語上ではあっても)労務の提供をすることは、同項適用の要件とはならないが、他方、同項の適用を主張する労働者は、使用者の責めに帰すべき事由によって債務の履行が不能となったことを主張立証しなければならず、そのためには、その前提として、自らが客観的に就労する意思と能力とを有していなければならないから、この事実をも主張立証しなければならないものと解するのが相当である。

なお、使用者が解雇の意思表示をした場合において、労働者が解雇が無効であるとしてその効力を争って賃金請求をするときには、自らが客観的に就労する意思と能力とを有していることをも要件事実の一つとして主張立証すべきであり(いわゆる「労働者による解雇の承認」の主張は、合意解約又は信義則違反の抗弁に当たる場合のほか、労働者が客観的に就労する意思と能力とを有しているとの主張事実に対する積極否認に当たる場合があることとなろう。)、他方、労働者が解雇の効力をあえて争わず、労働契約は終了させるが、違法な解雇であるとして不法行為による損害賠償請求をするときには、労働者が客観的に就労する意思と能力とを有しているとの点は、当然のことながら要件事実とはならないことになる。このように、労働者が客観的に就労する意思と能力とを有しているとの事実は、使用者が解雇の意思表示をすることにより労務を受領拒絶した場合に、労働者がいかなる法規範に基づく請求権を行使するかの分水嶺としての意味を有することになる。

(二)  この点に関し、原告は、被告が平成七年八月及び九月の給与を支払わず、しかも、原告が同年九月末日までの間に、また、同年一〇月に入ってすぐに、同年一〇月一日以降遂行すべき職務について被告に指示を求めたのに、被告が何らの指示をしなかったことを理由に、被告において原告の就労を事前に拒否していたものであり、右のとおり口頭で行ったことにより十分労務の提供をしたと主張するが、労働者が使用者に対し就労する意思を有することを告げて労務の提供をすることが、民法五三六条二項適用の要件事実とはならないことは既に述べたとおりである。したがって、原告の右主張は、平成七年一〇月一日の時点で原告が客観的に就労する意思と能力とを有していたことを主張する趣旨と理解すべきであるが、右主張事実のうち、右の時点で原告が客観的に就労する意思を有していたことについては、原告本人の供述をもってしてもこれを認めるに足りず、他にこれを認めるに足りる証拠はないといわざるを得ない。

すなわち、この間の事実の経過は、1で認定したとおりであり、まず、被告は、業績が悪く、出向していた間の平成七年八月分及び九月分の賃金すら原告に支払えない状態であり、原告に対し、被告を退職した上で代理店等を営む等の提携関係を持つよう勧めており、原告に、被告の従業員として職務を遂行してもらうことは考えていなかったので、原告に対し、被告において、従事すべき職務を指示するということは全くなかったのであって、これらによれば、被告は、同年一〇月一日の時点で、原告の就労を拒否する意思を有していたものということができ、その理由も、被告には原告に対して賃金を支払う資力又はその意思がないというほかないから、平成七年一〇月一日の時点で原告が客観的に就労する意思と能力とを有していたことが主張立証されるのであれば、被告の受領拒絶はその責めに帰すべき事由によるものということができよう。しかし、他方、原告も、右賃金が未払のままであるため、同年一〇月一日以降、一箇月に二回程度被告に赴く等してその支払を請求することはあったが、被告を退職した上で代理店等を営む等の提携関係を持つよう被告が提案してきても、右未払賃金の支払が先決問題であるとの姿勢を終始一貫して崩さなかったものの、これも被告において就労することをあくまでも求めるという趣旨からのものではなかったため、原告は、右提案を即座に拒否するという挙に出たわけではないし、就労する意思があることを告げて自己の従事すべき職務について指示を求めるということも全くしなかったのであって、実際には株式会社東武リゾート開発において業務の引継ぎその他の残務整理に従事していたものである。結局、原告本人の供述をもってしても原告に就労する意思があったことを認めるに足りず、他にこれを認めるに足りる証拠はないのであって、かえって、右の事実に基づいて考えると、原告は、平成七年一〇月ころは、前記未払賃金が支払われない限り、被告に出社して就労しない意思であったことがうかがわれるところである。原告の就労の意思を証拠上認定し得るのは、後述するように、原告の代理人鈴木繁夫弁護士が、被告に対し、平成八年五月二〇日到達の内容証明郵便で原告が就労できるよう指示を与えることを求めた時点が初めてであるということができる。

3  そうすると、原被告間の本件労働契約関係は平成七年一〇月一日以降も存続していたが、平成七年一〇月分ないし一二月分及び平成八年一月一日から同月二四日までの間の賃金支払請求については、原告の賃金債権の発生根拠事実を認めることができないから、理由なきものといわざるを得ない。

四  平成八年一月二五日以降平成九年四月八日までの間の賃金支払請求について

1  懲戒解雇の成否について

被告は、原告に対し、平成八年一月二四日、口頭で懲戒解雇する旨の意思表示をした旨主張するが、被告代表者の供述をもってしてもこの主張事実を認めるに足りず、他に右主張事実を認めるに足りる証拠はない。

のみならず、被告が業績が悪く、原告に平成七年八月分及び九月分の賃金を支払えない状態であったこと、被告は、同年一〇月一日以降も原告に出向当時の賃金を支払う余裕がないとして、原告に対し、被告を退職した上で代理店等を営む等の提携関係を持つよう勧めていたのであり、被告の従業員として職務遂行してもらうことは考えていなかったので、原告に対し、被告において従事すべき職務を指示するということは全くなかったこと、以上の事実が認められることは、既に述べたとおりであるから、被告は原告の就労を事前に拒否する意思を明確にしていたものというべきであり、被告が原告の就労義務違反を理由に懲戒解雇をするには、まず、原告に対し、右受領拒絶の意思を撤回する旨の意思表示をしておく必要があるものというべきである。しかるに、被告が原告に対して右撤回の意思表示をしたことについては何らの証拠がない。

よって、被告主張の懲戒解雇の抗弁は、その意思表示をしたこと自体を認めるに足りる証拠がなく、また、被告が受領拒絶のままでは、原告の就労義務違反を理由に懲戒解雇をする前提を欠くといわざるを得ないから、右両面において理由がない。

2  成立に争いのない甲第五号証の一、二によれば、原告の代理人鈴木繁夫弁護士が、被告に対し、平成八年五月二〇日到達の内容証明郵便で原告が就労できるよう指示を与えることを求めた事実を認めることができるから、この時点では原告が客観的に就労する意思を有していたことを認めることができる。

平成八年一月二五日以降平成九年四月八日までの間の賃金請求は、右のとおり、平成八年五月二〇日到達の内容証明郵便で原告が就労できるよう指示を与えることを求めるまでは、原告が客観的に就労する意思を有していたことを認めるに足りる証拠はないから(前掲甲第五号証の一には再三請求してきた旨の記載があるが、これだけでは右の事実を認めるに足りない。)、平成八年五月二〇日までの間の請求は理由がないが、同月二一日以降平成九年四月八日までの間の五三一万〇七五二円の賃金支払請求は理由がある(円未満切捨て)。

500,000×(11/31+10+8/30)=177,419+5,000,000+133,333=5,310,752

五  退職金請求について

1  原告は、被告に対し、平成九年四月八日到達の書面で、被告の賃金不払による債務不履行を理由に本件労働契約を解除する旨の意思表示をしたから(前記のとおり争いがない。)、これによって原被告間の本件労働契約関係は終了したものというべきである。

2  原本の存在及び成立に争いのない甲第七号証に弁論の全趣旨を併せて考えれば、被告には退職金支給規程が存在し、勤続年数二年未満の者又は日雇若しくは臨時職員を除き、社員(従業員)が退職する場合には退職時の本給の月額に勤続年数に所定の支給率を乗じて算出した金額を退職金として支給することと定めていること、右支給率は、退職事由が、社員の死亡、業務上の事由による傷病、やむを得ない業務上の都合による解雇又は定年であるか、それとも、社員の自己都合又は業務上の事由による傷病かによって異なることと定められていること、以上の事実が認められる。

右事実に基づいて考えると、前記のような被告の債務不履行に起因する労働契約解除の場合は、やむを得ない業務上の都合による解雇の場合に準じた支給率で算出した退職金を支給することと解するのが相当であり、原告の勤続年数と被告の退職金支給規程所定の支給率とを考えると、原告は、給与月額金五〇万円に四・五を乗じて得られる金二二五万円を下回らない退職金支払請求権を取得したものというべきである。

六  結論

以上の次第であって、原告の請求は未払賃金六三一万〇七五二円及び退職金二二五万円、以上合計金八五六万〇七五二円並びにこれに対する平成九年四月一五日から支払済みまで年五分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるからこれを認容し、その余は理由がないから失当としてこれを棄却することとし、訴訟費用の負担につき民訴法八九条、九二条を、仮執行の宣言について同法一九六条をそれぞれ適用して、主文のとおり判決する。

(裁判官 高世三郎)

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